Vino Indimenticabile – 忘れられないワイン



衝撃だった。




「どうだい、お兄さん?美味しいかい?」



そう男性客が問いかけたが、あまりの衝撃に、マサはしばらく何も答えられなかった。



「どうだい?そのワインの感想を聞かせてくれよ」





「・・・」







マサは何か答えようとしたが、何も言葉が見つからなかった。
言葉を失ったまま、ワイングラスを見つめていた。



「ははは。何も言えないか。でも、それこそが、最高の感想だよ」


男性客は、まるでそうなることがわかっていたかのように、得意げにそう話した。



「それが、SCARPAの”La Bogliona”さ 」




しばらくの間、マサは何も話せなかった。
というよりは何も話したくなかった。

ただただ、このワインを感じていたかった。

女性客は、その間もずっとワイングラスを見つめていた。
ただ、ほんの少しだけ、笑みを浮かべているようにも見えた。



その後のことを、マサはあまりよく覚えていなかった。

もちろん、酔っていたということではなく、あまりの衝撃に記憶が飛んでしまったのかもしれない。


どれくらいの間そのワインバーにいたのか、どうやってホテルまで戻ったのかすら、マサは覚えていなかった。


ただ、その日に飲んだ、あのワインのことだけは忘れられなかった。




マサはその日から、SCARPAの虜となった。

SCARPA
https://liber.vin/scarpa/

– Fine –


※この物語は、ほぼフィクションです